2014年3月22日土曜日

BMWとの再会 Part1 - BMW 116i

1. BMWとの別れ

BMW。それは、私が最もときめきを感じる、3つのアルファベットの並び。

私が高校に入学するまで、祖父がBMWに乗っていました。318tiというモデルで、よく実家への送迎や、家族旅行の時に乗せてもらいました。それは数え切れないほどで、良き思い出です。




小さい頃の私はスカイラインが好きで、いつも青いスカイラインのミニカーで遊んでいました。

しかし、小学生時代の半ば、車が大好きで仕方なく興味がますます深まっていくうち、時々乗るこのBMWに興味が湧いてくるようになります。睨むような暗い目つき、重厚感溢れる音、黒で統一された静かな車内、本革の匂い…その車体の放つ独特な存在感と雰囲気に、興味津々でした。いつも実家の窓から、庭に停めてある318tiを眺めるようになりました。

車や電車しか頭になかった私は、図工で作る自由作品のモチーフはいつもスカイラインか201系ばかり。しかし小学校卒業記念の作品に登場したのは、BMWでした。BMWが好きになったのは、小学校高学年からと言えるでしょう。




高校入学前、BMW大好き少年になってまだあまり月日も経たない私に、悲しい出来事が起こります。BMWを好きになるきっかけとなり、BMWの中でも何よりも好きだった、この318tiが廃車されてしまうことになったのです。当時、318tiは車齢が10年を超え、走行距離も11万kmに達していました。トラブルが目立ち、本革シートは破れ、運転席の窓が動かなくなり、燃料計は常にEmptyを指し、エンジンをかけると車内にいる私は振動で揺さぶられました。いずれも原因ははっきりしていて、修理や部品交換をすればまた復活する軽度のトラブルです。しかし、当時318tiを祖父に代わって常用していた親戚は、これを廃車することに決めてしまいます。もう少し私が年を取っていれば引き取ることができるのに…と悔やみに悔やみつつ、318tiの写真を撮り続けました。

そしてそのまま、お別れの時となりました。



318tiとの別れの悲しみに反発するように、それからというもの、私の頭はBMWで溢れます。何もかもBMW。このブログの2013年夏までの記事の多くは、BMWの知識と憧れだけで構成されていたはずです。近くにBMWに触れられる機会がないため、カーグラフィックやモーターマガジン等の雑誌やインターネットで知識を得ては、憧れを膨らませ、あれこれ考え事をしていました。特にM5とM6でドイツをツーリングした時のモーターマガジンは、ページが破れそうになるくらいまで何回も読みました。またゲームのグランツーリスモではM3がお気に入りでした。BMW製直列6気筒エンジンの音のその素晴らしさに感動し、BMWへの憧れが確固たるものになります。通学路に青いBMWがいつも止まっていて、周囲に人がいない時にはじっくり眺めていたこともありました。終いには、BMWバイクにまで興味は広がり、F800Sのデザインがお気に入りでした。

大学生になり、もう運転免許を取得できるというのに、無計画のまま夏を迎えました。そこである出来事に衝撃を受けます。友人がF800Sに乗っていると言うのです。少しだけ乗せてもらいましたが、そこで私は目が覚めてしまうのでした。ついに運転免許取得計画が始まります。

免許を取得してしばらくは、数々のレンタカーで多様な車種に乗ってドライブを楽しんできました。友人と共に出かけたり、1人で遠くへ出かけたり、MT車に乗ったり。小さい頃から望んできたドライブが叶ったのですから、それはもう楽しかったです。しかし、不満は少なからず存在しました。残念ながらその不満は車に対してのものです。中にはあまりの酷さに絶句するようなものもありました。

レンタカーで乗りたい車も減りつつあり、何か軽自動車でいいから購入を考えようか、という案も出てきました。しかし、大学生で維持しやすそうな日本車の中では欲しい車が見つかりません。100万円も用意して、大して興味もなかった車に使えるのでしょうか?無論、NOです。車購入計画はすぐに頓挫してしまいました。中古の日本車に乗ることなど、正直に言って全く望んでいません。やはり、BMWに乗ってみない限りは何も始まらないのです。

そんな時、驚くべきものを見つけました。最近流行し始めたカーシェアリングで、BMWに乗れるではありませんか!一瞬の迷いもなく私はそのカーシェアリングに登録し、肩慣らしにMINIに乗ってみました。知識は豊富にあったものの、実物はやはり違います。

初の輸入車に至極感激した私は、翌月にいよいよBMW 1シリーズに乗る計画を立て始めるのでした。




<目次>
Part1 - BMWとの別れ
Part2 - 116iとの対面
Part3 - 箱根ターンパイクと伊豆スカイライン
Part4 - 熱海ビーチラインから新宿へ
Part5 - 外装解説
Part6 - 内装解説
Part7 - 初めてBMW1シリーズを運転して