2014年3月11日火曜日

前期・後期デザイン比較とドライブ - SUZUKI SWIFT 1.2XG

本日乗る車は...スズキ スイフト!
バーミリオンさんの愛車でもあるこのスイフト、2年前の納車時やドライブで乗せてもらったことはあるのですが、当時から自分でも運転してみたいと思っていました。バーミリオンさんがスイフトを選ぶ前から、私はスイフトに注目してきましたし、何せ私がバーミリオンさんにオススメした車ですから、乗らずにはいられないというわけです。

スズキと言えば多くの人は「軽自動車を作っている会社」というイメージを持っていると思います。私も正直言ってそうでした。ワゴンRやアルトなどの軽では日本一の人気を誇る一方で、カルタスやエリオ等、普通車の分野では全くと言っていいほどヒットが出ていなかったのです。時々街で見かけても、人気がないため大切に乗られている車が少なく、みすぼらしささえ感じられました。確かに当時のスズキ製普通車の質は内外装ともお世辞にも良いとは言えません。日本におけるスズキのブランドイメージがいまいち上がらないのは、これらが重なっているためではないかと思います。

しかし、今回乗ったスイフトの一世代前である二代目スイフトは、それまでと違いました。自動車評論家は軒並みその走りの良さを褒め、気に入らない車には辛辣な評価を下す英TopGearでも、スイフトには肯定的な評価をしていた記憶があります。乗ったことはなかった私ですが、内外装とも質感が高く、何にも似ていないデザインもシンプルながら個性的で、日本車らしからぬ高い性能を持っている...とスイフトを気に入りました。

二代目スイフトは世界的に成功し、三代目となる現行型は二代目のイメージを極力受け継いで登場しました。モデルチェンジの度にガラリとデザインを変えてしまうことが殆どの日本車の世界ではこれもまた珍しく、改めて良い印象を与えてくれました。その後バーミリオンさんが車購入を検討、私はスイフトを(どんな薦め方をしたかはもう忘れましたが)オススメしました。バーミリオンさんはスイフトを気に入ってくれて、助手席にも乗せてもらい「やはりスイフトはしっかり走って良い車だなぁ」と再確認した次第でした。

前置きが長くなりましたが、地元付近のタイムズにブルーメタリックの後期型スイフトがいるのを発見したので、とうとう私も乗ってみることになりました。話題のデュアルジェットエンジンではなく普通の1.2XGで、中身はほぼ前期型と同じではありますが、バーミリオンさんも乗ってみたいということで、バーミリオンさんの自宅へ。

前期型のレッド、後期型のブルー。赤も青もよく似合います。折角なので、並べて比較、そして写真撮影会(笑)。売れているとはいえなかなか見かける機会の少ないスイフトで、このカラーの並びはかなり珍しいのでは?おまけに片方はレンタカーですよ。

スイフトを眺めるときの私一押しの角度は、この斜め前からの角度。ずっと見ていても飽きませんね。凄くカッコいいです。


新旧のデザインの違いは殆どなく、バンパーに開いた口がそれぞれ一回り大きくなった程度で落ち着いています。マイナーチェンジでもデザインを変えないのは、スズキが如何にスイフトのこの形を大切にしているかが伝わってきます。視点を変えれば、完成してしまっているデザインともとれ、四代目がどのようなデザインになるのか少々不安ではあります。

正面から見ると、割とかわいいですね。


このブルーのスイフト、オドメーターは2900kmと新車に近いのですが、今まで一度も洗車したことがないのかと思うくらい汚れていたので、洗車しました。バーミリオンさんも手伝ってくれて、綺麗になって良い気分です。


内装は改めて見ると、今まで乗ったどの日本製コンパクトよりも上質感があります。インパネはごく普通のプラスチックですが、フィットのような奇をてらったデザインと違い、凹凸が無くシンプルイズベストが徹底されていることもあってか、安っぽさは全く感じません。デザイン自体も好みで、これはお気に入りです。コンパクトカーらしからぬデザインのメーターや、オートエアコン操作部の使いやすさにも好感が持てます。とにかく居心地の良い空間になっているのです。


撮影会も程々に、ドライブへ出発。
スイフトの走りは、先日のMINIほどではありませんが、やはりヴィッツやフィットと全く異なるものでした。ステアリングはやはり重めで、安定性の良さに一役買っています。これ以上重いと女性ユーザーから不満が出そうな、ギリギリのレベルを狙っているような気がしますね。70~80km/hではヴィッツとは比べ物にならないほどしっかりとしており、フィットRSと同程度でしょうか。最も廉価なノーマル仕様の1.2XGでこの水準ですから大したものです。気持ち良く走ることができました。

アクセルはこれも重めで、踏み込まないと加速しないタイプです。しかし予想よりも大きく踏み込む必要があり、幹線道路の流れより少し走ろうとするには、半分かそれ以上ペダルを踏まなければなりませんでした。ヴィッツの少し踏んだだけでブーンと加速するフィーリングに慣れてしまった人には、きっとスイフトの加速は遅いと感じてしまうでしょう。踏み込めばしっかり加速するので、この差はスズキのセッティングの問題ではないかと思います。ちなみにMINI ONEで同じくらいペダルを踏むと、スイフトより加速は鋭くなります。

停車時の車内はとても静かになります。エンジンの振動と音が微かに伝わる程度。加速時は割とエンジン音は聞かせてきますが、巡航時はまた静かになり、快適...と言いたいところですが、その分もあってかロードノイズが大きめに感じました。ヴィッツやフィットの方がロードノイズは静かだったように思います。回したときのエンジン音は、1.2リッターの日本車としては滑らか且つ重厚感のある音がします。低音が効いているのでしょうか、回して騒々しいなどということは一切なく、不思議なものです。

一つ残念だったのは、CVTです。元々私がCVT嫌いなので仕方の無いことではあるのですが、ここは是非MTで乗ってみたいところです。スイフトのCVTに限ったことではありませんが、回転数が殆ど変わらないことで抑揚に欠ける加速、停止寸前のエンジンブレーキの変化(だと思いますが正しくは不明)、再加速など予想外のところでギクシャクしてしまう点はどうしても馴染めず、気になってしまいます。スイフトでは加えて、アクセルを一定に保っているのに稀に回転数が上下してギクシャクすることがありました。MTであればこれらの気になる事例が全て無い訳ですから...ATはやはり楽ですけどね。

ある評論家がMINIに試乗する際「スイフトとかよくできた車に乗る時に思うけど...」と言っていたために、先に述べたように、このスイフトはどうしてもMINIと比べてしまいました。大きさは似ていてもクラスが違いますし、MINIは個性が最も強いコンパクトで、価格の差も2倍(!)、比べてはいけないと思ってはいるのですが...それでも比べてしまうということは、それほどスイフトは真面目に作られた車であるという証拠です。また欧州車に近いとは言え、これでも日本向けにセッティングされているということで、ここまで来ると欧州仕様の足回りを再現したというスイフトRS、果ては外車乗りからも乗り換える人がいるハイオク仕様コンパクト、スイフトスポーツがますます気になってきますね。

また、今回は高速道路を利用しませんでした。欧州車と言えば高速域の走り。スイフトも100km/hで走れば、少し評価も変わってくるでしょう。

私が今日本車のコンパクトカーを選ぶとすれば、スイフトしかないなぁとつくづく思ったのでした。ブルーメタリックのスイフト、本当にカッコいいです。